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中学高校の授業に役立つ科学ネタ~最新ニュースの話題から授業の小話まで~
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 ヒトの全遺伝情報が公開されたという記事を取り上げたのがちょうど1ヶ月前の5月28日でした。
 遺伝の研究はいったいこの先どのように発展をしていくのだろう?と思った方も多いと思います。
 生物の教員に限らず,昨日は世界を驚かす記事が掲載されました!

 生物の資料集には今でも「クローン羊ドリー」のお話を載せているものや「遺伝子組み換え食品」について取り上げているものも見られますが・・・。
 昨日の驚くべき記事とはこちら↓です。

細菌ゲノム完全入れ替え 人工生命へ一歩? 米チーム
6月29日 朝日新聞社


 え~っ?と驚かれた方はさすがです。この記事の驚くべき点は,「完全入れ替え」というところにあります。ある種のゲノムを別の種の細胞に完全に入れ替えてしまうということは,別の種の細胞はある種の遺伝を発現し・・・。生物の教員でも正直分からない世界に入っていきます・・・。
 「人工生命へ一歩?」という部分が少々気になりますが,倫理はここでは置いておいて,細菌のレベルであるとはいえ,技術的に可能となったということは,人間の生活において多くの利点と可能性を広げるとともに,人類は多くの問題点を抱えてしまうことにもなりそうです。
 先にも述べましたが,倫理を説くことも大切ですが,偏った倫理観を生徒に押しつけることはできません。ここはひとつ倫理的観点を除外し,純粋に科学技術と人間生活においての利点と問題点を生徒に話し合わせてみるのもいいと思います。ただし,遺伝の授業またはDNAの説明が終わった後でないと期待する効果は得られないと考えられますが・・・。

 いずれにしても理科教員は研究者ではありませんので,「すごいすごい」を強調するのではなく,理科の授業で取り扱うときは,科学技術が発展すれば必ずその裏で問題点も発生することを併せて説明しておくのを忘れないようにしましょう(ここでいう問題点とは同じく科学技術とは限らず社会的問題点など幅広い意味で使っています)。
 今回の記事に限ったことではありませんが,教員は生徒が熱くなっても冷静に中庸の立場を取ることを忘れないようにしましょう。

 記事へのリンクについては朝日新聞社さんの承諾を得ています。
 また,リンク先の記事の著作権は,朝日新聞社さんにありますので,無断で転載などなさらぬように気をつけてください。
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HN:
理科男(りかお)
性別:
男性
職業:
理科教育アドバイザー
自己紹介:
元中学高校の理科教師。現在は理科教育のアドバイザーをしている。

このブログの更新は不定期です。授業で取り上げられそうなニュースが出たときなどを中心に週2~3回程度の更新になります。
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