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中学高校の授業に役立つ科学ネタ~最新ニュースの話題から授業の小話まで~
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 これは生物を教える教員として見逃せない話題ですね。
 これまでさまざまな種のゲノム解析が進められ,病気の原因解明や対策などに役立てようとしてきましたが,ついにヒトの全遺伝情報(ゲノム)が公開されます!しかもこれまでと違い実名でです(誰の遺伝情報かも公開されるということ)。
 これは衝撃です!

 ヒトは約60兆個の細胞からできていると言われます。これらすべての細胞に核があり,その中にDNAが存在することは高校の生物でも出てきます。遺伝の分野は高校生物の中でもひとつの壁のようで,中にはなかなか理解できない生徒も出てきます。
 この分野は,遺伝子って何?例えばどんなものが遺伝するの?どんなものは遺伝しないのかな?という動機付けが非常に重要になってくると共に,ある種のゲームまたはパズルの感覚で遺伝のしくみを説明し,生徒に「意外と面白い!」と思わせるかどうかが鍵になります。動機付けがなく機械的に,または,動機付けだけで終わるというパターンによって,遺伝を苦手をしてしまう生徒が出てきてしまうことに注意しましょう。

 さて,ヒトのDNAは約60億個の塩基でできています。ヒトの体細胞は2倍体であるため,約30億個の塩基対でできていると言ってもいいでしょう。そのため,ヒトのゲノム解析はどちらか一方の約30億塩基対を調べればよいということになります(ここではA,G,C,Tに関する説明は省略します)。
 とはいえ,それだけの長い鎖を順番に調べていったのでは気が遠くなります。そこで制限酵素を用いて,DNAを特定の場所で切り,それぞれを解析した後つなげていくような調べ方をします。これについては教科書によってコラムのようにして触れているものもありますが,主に資料集などを用いている学校では,そちらを参考にするとよいと思います。

 さて,ヒトの遺伝子数(塩基数ではありません)は約10万と言われています。いったいどのような結果が公表されるのか,楽しみですね!

遺伝情報:ワトソン博士のゲノム公開へ 個人では初と米誌
2007年5月28日 毎日新聞社


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理科男(りかお)
性別:
男性
職業:
理科教育アドバイザー
自己紹介:
元中学高校の理科教師。現在は理科教育のアドバイザーをしている。

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