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中学高校の授業に役立つ科学ネタ~最新ニュースの話題から授業の小話まで~
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 9月2日に打ち上げられたロケット実験で,リチウムを放出するいわゆる「宇宙花火」が観測されました。
 先日話題になった宇宙花火っていったい何だ?という方のために簡単に説明致しましょう。

 まず,宇宙花火とは地上で打ち上げる花火のように宇宙で派手に花火を上げて楽しもう!という企画ではないことは押さえておきましょう。
 宇宙花火とは,地球と宇宙の境界領域の大気を調査するためにロケットを打ち上げ,そのロケットからリチウムを放出したときに発生する赤い散乱光を観測する実験におけるその赤い光を指したものです。この実験について質問がありましたので,簡単に説明します。

○地球と宇宙の境界って?
 地上から熱気球などを飛ばして観測することができる最高高度と,人工衛星などが周回する軌道の最低高度の間の大気圏は他の領域に比べて研究が進んでいません。「熱圏」と呼ばれる大気の領域が,地上約90~500km程度です。このうち地上約100~300km程度は前述した研究が遅れている領域で,今回の実験は,この部分の大気の揺らぎを調査しました。

○どんなロケットを打ち上げたの?
 今回打ち上げたロケットは,宇宙航空研究開発機構(通称JAXA;ジャクサ)が高知工科大学などとともに打ち上げた観測ロケットS-520 23号機です。このロケットは全長約8.5m,直径約50cmで,電磁場やプラズマなどを観測する機器を搭載していました。

○リチウムの放出は1回だけだったの?
 3回放出されました。

○どんな風に見えたの?
 赤い雲のような感じで見られました。ただし日本全国で見られたのではなく西日本を中心にして観測できたようですので,東日本の方は見られなかったかもしれません。

○今回調査した領域は電離層ではないの?
 その通りです。熱圏では紫外線などにより大気成分の一部がプラズマ化しています。このプラズマが電磁波と反応するため,電波を反射する電離層のF層とも呼ばれています。

○今回見逃したのですが,次回はいつですか?
 申し訳ありません。次回の予定は存じません。事前に報道されると思いますので,ニュースをチェックしておいてください。


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プロフィール
HN:
理科男(りかお)
性別:
男性
職業:
理科教育アドバイザー
自己紹介:
元中学高校の理科教師。現在は理科教育のアドバイザーをしている。

このブログの更新は不定期です。授業で取り上げられそうなニュースが出たときなどを中心に週2~3回程度の更新になります。
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